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西区歴史シリーズ「くらやみ坂」

<2020年 第73号>

 西区には区の花と木がそれぞれあります。みなさんご存じですか?花は「すいせん」、木は「もくせい」です。昭和59年の区制施行40周年を記念して公募で決まったそうです。


 そんな西区の区役所の東側、西中学校に登っていく坂を「くらやみ坂」と呼んでいます。どういう漢字を書くのでしょう。素直に考えると「暗闇坂」でしょうか。しかし「鞍止坂」という説もあります。昔は馬で物資を運んでいましたが、坂が急であり、このあたりで一息いれていたため「鞍止坂」になったとか。


 諸説ありますが、この坂のあたりに区の木名前 を冠した「もくせい公園 」があります。最近リニューアルされて広くなりましたが、昔はこの辺りに牢屋と処刑場があったようです。昔ですから町中引き回しのうえ首切りなど残虐な処刑が行われていたようです。そう考えると「暗闇坂」のほうがしっくりきますね。処刑された囚人は近くの願成寺へ放り込まれて、極悪人ということで弔うこともできなかったようです。


 現在は刑場の面影もなく子供たちの遊び場になっています。東京の東池袋公園にかつてA級戦犯が処刑された巣鴨プリズンがあったことは有名ですが、いまは憩いの場になっています。刑場の跡地を公園にするのは、未来 ある子供たちのために戦争や犯罪のない平和な世の中になってほしいという希望が込められているのかもしれませんね。


参考文献

「西区 今昔話」 、 「藤棚新聞 2014 年 10 月号」



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