<2021年 第74号>
「士業 の仕事」も今回で最終回です。今回は 世間 でいちばん間違われやすいであろう「司法書士」と「行政書士」の違いに触れていこうと思います。この二つはともに「書士」という文字がつくため似たような仕事と思われがちですが 、業務の範囲は全く異なります。
司法書士は主に登記申請の代理及び法務局又は裁判所に提出する書類の作成をメインとします。一方、行政書士は主に官公庁への書類作成、提出を業務とします。
例えば、建設会社を興したいときには建設業の許可申請を役所に提出する必要がありますが、これは「官公庁」への書類提出ですので行政書士の仕事になります。
他方、会社を設立するための登記申請は「法務局」への手続ですので司法書士の業務になります。まれに設立登記を代理しますと謳っている行政書士のホームページがありますが、それは業務の範疇を超えています。
一般の方からすると、目的が達成できればどの士業に頼んでもよいのではないか、と思われるかもしれませんが、能力の担保されていない者が他士業の分野に首を突っ込むことは、それまで先達が培ってきた各士業の信頼を損ない、結果的に依頼人に迷惑をかけることになります。士業に依頼をする際は、倫理観を持った士業に依頼することが重要になります。
3回にわたり士業の仕事を紹介してきました。読者の方々が士業にご依頼されるときに今回の連載が道しるべになれば幸いです!!