<2018年 第59号>
花冷えの造り酒屋の重き門 三原利子
ベイブリッジ今佐保姫の御座船が 小野元夫
雪しまく夜の交番赤色灯 佐藤幸華
長寿眉ハの字にしておでん酒 小野沢邦彦
よちよちと緑に染まる老二人 笹川紀久子
なんとなく体調悪し梅の花 荒川文子
菜種梅雨三角窓の雨滴かな 矢島ともえ
《寸 評》
花冷えは、桜の咲く頃、急に冷え込むことを言う。この雰囲気が何代も続く「造り酒屋」の重厚な建造物を想像させて佳品。
*
投句―当季雑詠で一人2句まで―、氏名、連絡先を記載して。次回締切は五月二十日。巻頭句には粗品を進呈。
Eメール:fujidananp@jcom.zaq.ne.jp
FAX:045-895-0081