<2017年 第55号>
●生き続ける経師の技術
戸部のお店で木村経師店会長の木村康夫さん(写真)にお話を伺いました。木村さんは、表具師として西区からただひとり横浜マイスターに選ばれました。
8 世紀頃には奈良東大寺に写経所が設置されて、経師の仕事が行われていました。経師とは写経師のことで、写経とは経典や経文を紙に写す職業です。ですから字の上手な者が選ばれました。
時代とともに経師の仕事は書画、表具、襖、屏風や額などを製作する職業に広がってきました。後ろの掛け軸には土井晩翠直筆の「荒城の月」の詩が収められています。
今では建築様式の変化で洋風の家が増え、和風の襖、障子等の仕事が減少して、内装のリフォーム(天井、壁張り)、床張り、カーテンなど多岐にわたって従事しています。公園にある歴史的な古民家の、跳ね上げ戸の襖紙も貼りました。木村さんは、時代や場所が変わっても経師の技術が生きていると言います。
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