<2017年 第54号>
横浜開港当時、歓楽街であった港崎町から高島町に移転した港崎遊郭。かつて高島町に存在した港崎遊郭には、横浜で一、二を争う大楼・岩亀楼がありました。
資料によると、「三層櫓式の楼閣が偉大さを誇り、夜目にも美しく人びとの話題となった。遊女たちが病に倒れた時、静養する寮が岩亀横町にあり、信仰していたお稲荷さまが岩亀楼の寮内にあったので岩亀稲荷と呼ばれ、現在も信仰が受け継がれている」とあります(「岩亀稲荷と岩亀横丁の由来」より)。
この岩亀横丁にあるお稲荷さまにお祈りをすると、必ずそのご婦人の病が治るとされ、粗末にすると災いが起こると言い伝えられてきました。現在でも講が作られ、代々祀られています。 毎年5月25日には、岩亀稲荷の例祭が営まれ、今年もお経が上げられました。