<2021年 第75号>
視覚や聴覚などに障害がある人の相談にのったり、社会参加の支援をしている障害者社会参加推進センターに、新型コロナによる新しい生活様式で困っている人の様子をお尋ねしました。
センターから、NPO 法人横浜市視覚障害者福祉協会副会長の大橋由昌さんを紹介されて、3 月22 日同行のガイドヘルパーと一緒にお話をうかがいました。大橋さんは全盲です。全盲の人は、マスクして歩くと勘が狂うことがあるそうです。私は、列を作る場面でうまくソーシャルディスタンスをとれないことがあるという市広報の記事を思い出しました。そして大橋さんは、ことに駅頭では声かけをしてほしい、コロナのために今は声かけが減っていると言います。駅のホームは「欄干のない橋」です。
按摩、鍼、灸の業者は、濃厚接触のために避けられている、収入が減っている、そして 納税証明をしていないと、去年の収入の半分以下ということを証明できないそうです。ヘルパーは通院や買い物に同行する際に、視覚障害者に肩や肘をつかんでもらって誘導しますが、そのヘルパーも減っています。マスクの入手は先を越されたりで苦労するそうです。同行のヘルパーからは、「赤十字のマークがついたマスクはどうですか」という提案もありました。
私たちは、「何かお手伝いをしましょうか」と当事者に声かけして、当事者からは「こうしてください」という対等な関係を作っていくことが望まれます。